水中ドローンの製造は海外にどれほど依存しているのか?
2026.07.10
「日本製の水中ドローン」と呼ばれる製品であっても、その多くは海外製の部品やソフトウェアによって成り立っていることはあまり知られていません。
実際に水中ドローンを一から開発しようとすると、国内だけで必要な部品を揃えることは非常に困難です。
なので、実際に弊社で製作したケースを基に記事にまとめてみました。
水中ドローンを構成する主要部品について部品と帰属国をまとめてみました。
| 部品 | 主な供給国 |
|---|---|
| フライトコントローラー(Pixhawk) | スイス設計(主な製造は中国) |
| コンパニオンコンピューター(Raspberry Pi) | イギリス |
| スラスター | 中国 |
| ESC(モーター制御装置) | 中国 |
| カメラ | 中国 |
| DC-DCコンバーター | 中国 |
| リレー | 中国 |
| バッテリー | 中国 |
| 水深・水温センサー | アメリカ |
また、ハードウェアだけではなく、ソフトウェアについても海外製が中心です。
| ソフトウェア | 開発国 |
|---|---|
| BlueOS | アメリカ |
| ArduSub | スイス |
中国への依存度は非常に高い
一覧を見ると分かるように、特に小型精密機器のハードウェアについては中国製部品の割合が非常に高くなっています。
スラスター、ESC、カメラ、電源回路、バッテリー、テザーケーブルなど、水中ドローンを構成する中核部品の多くは中国メーカーが世界市場で大きなシェアを占めています。
もちろん、中国製部品の中には品質が高く、世界中で採用されている製品も数多く存在します。しかし、供給停止や輸出規制、価格変動、国際情勢の変化などが発生した場合、開発や生産に大きな影響を受けるリスクがあります。
ソフトウェアも海外発が中心
操縦システムや機体制御ソフトウェアについても、日本発の標準的なプラットフォームはほとんど存在しません。
現在、多くの水中ドローンではBlueOSやArduSubなどの海外で開発されたソフトウェアが利用されています。これらは非常に優れた技術ですが、日本国内で開発方針を決定できるものではなく、仕様変更やアップデートは海外コミュニティの動向に左右されます。
もちろん、使用する部品にも制約を与えられます。
日本国内で設計・組み立てを行っている水中ドローンであっても、その内部を見れば、多国籍技術の組み合わせによって成立しています。
フルトンが独自コントロールシステムの開発に着手した理由
株式会社フルトンでは、このような海外依存の現状を踏まえ、水中ドローンの「頭脳」となるコントロールシステムの独自開発に着手しました。
すべての部品を一度に国産化することは現実的ではありません。しかし、制御ソフトウェアを自社で保有することで、日本の利用環境に合わせた機能追加や改良を迅速に行えるようになります。
また、AIによる自律航行や画像認識、複数センサーを組み合わせた高精度な位置推定など、次世代の海洋ロボティクス技術にも柔軟に対応できるプラットフォームの構築を目指しています。