2026.03.20
水中ドローン開発を進める中で見えてきたのは、技術の問題ではなく「市場」の問題でした。国産水中ドローンをビジネスとして成立させるために必要だと考えた視点について解説します。
海外製が主流という現実
現在、市場に流通している水中ドローンの多くは海外製であり、特に中国メーカーの製品が中心となっています。日本発のプロダクトはほとんど見当たらず、この分野において国内メーカーの存在感は極めて小さい状況です。
これは単なる技術力の問題ではなく、ビジネスとして成立しにくい構造があるのではないかという仮説に至りました。
技術よりも難しい「事業構造」
水中ドローンの構造自体は、空中ドローンと大きくは変わりません。スラスター、センサー、カメラ、制御ソフトといった基本構成は共通しており、違いは耐水圧への対応にあります。
しかし、この技術的課題以上に重要なのは、「誰が、どの頻度で、いくらで使うのか」というビジネスの設計です。
従来用途では市場が小さい
水中ドローンは主に海洋調査やインフラ点検、研究用途で使われていますが、これらは導入主体が限られており、プロジェクト単位での利用が中心です。
そのため継続的な需要が生まれにくく、量産を前提としたビジネスモデルが成立しにくい構造となっています。
純国産ではなく「国産化」という考え方
技術的には可能だろうと踏んだうえで、コスト面の検討から部品調達をどうするか検討を行いました。結果として、水中ドローンはグローバルな部品供給に依存せざるをえず、すべてのパーツを国内で揃えることは現実的ではありませんでした。無理に純国産を目指すとコストが大幅に上昇し、競争力を失ってしまいます。
そのため、価値を生み出すコア部分を国内で開発し、それ以外はグローバル調達を活用するという「国産化」のアプローチを図ることにしました。
コアを押さえる戦略
私たちは、ハードウェア設計、制御ソフトウェア、ユーザー体験を担うアプリケーションといったコア領域を自社で開発することにしました。
これにより、プロダクトの価値を決定する部分を国内でコントロールできます。
最大の課題は市場創造
しかし、どれだけ優れた製品を作っても、それを使う市場がなければビジネスとして成立しません。
そこで私たちは、既存市場に合わせるのではなく、新しい市場を作る必要があると考えました。
釣り市場という入口
そこでもやはり「釣り」です。釣りは個人ユーザーを中心とした巨大な市場であり、継続的に行われる行為でもあります。
水中ドローンを釣りに活用することで、エンターテインメント性と実用性、さらには海洋データ取得を同時に実現することができます。
ビジネスとして成立させる条件
国産水中ドローンをビジネスとして成立させるためには、コア技術の内製化、グローバル調達によるコスト最適化、そして市場創造の3つが不可欠です。
この3つを同時に設計することで、継続的な事業として成り立たせることが可能になります。
技術ではなく「仕組み」を作る
水中ドローンという技術はすでに存在していますが、日本でドローンを発展させるために必要なのは「国内で使われ続ける仕組み」です。
私たちはまず、「釣り × 水中ドローン」という形でその仕組みを構築する取り組みを進めています。ビジネスとして成立する環境を作り、発展させていくことまでがドローンビジネスです。釣り以外にも様々な企画を練っていきますので、よろしくお願いいたします。